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オークモスってどんな香り?

読み物

以前、フゼア、シプレの特集をしていて、ふと気になる香料がありました。「オークモス」です。
シプレ、フゼアの香りを構成する上で欠かせない香料であり、クラシカルな香りに必ずと言っていいほど入っている香料。
安全性を考慮して使用が制限されるようになりましたが、世界中ではそれを悔やむ人が続出しています。

「なんでこんなにみんなオークモスにとりつかれているんだろう?」この疑問を解決すべく、今回はオークモスについてじっくりと見てみたいと思います。
過去の記事についてはこちらをどうぞ。


オークモスってどんな香料?

機会に恵まれてオークモスを嗅いで見ました。独特なウッディな香りでした。
とはいえ、オークモスとはどのような香料なのでしょうか。

これまで、オークモスをカシの木になるコケだと勘違いしていました。
しかし、OakでもJapanese oakやLive Oakをカシの木を意味し、Oakそのものの記述の場合はナラの木とするそうです。
オークモスのオークはカシではなく、楢(ナラ)の木の表面につく苔で、ヨーロッパの湿度の高い森でよく見つかるもの。
以前そのものを嗅ぐ機会に恵まれ、試してみましたが、湿度がありウッディで土っぽい雰囲気ですが、いわゆる「木」ほど重くなく、柔らかく渋いユニークな香りでした。

香水に使うと香料の飛びを遅くする効果があり、シプレの香りを構成する上で欠かせない香料です。
コティのシプレを発端にゲランのミツコやシャネルの5番などに使用された香料のベースを支える重要な香料でした。

現在では安全性を考慮した規制のもと、香水の中で0.1%まで使用が認められています。
アレルゲンを除去した香料も開発されていますが、香りが全く違うため、そのままのオークモスであることに意義があるとされています。

サンダルウッドやムスクのように香水に欠かせないオークモス。
それが規制によって使えなくなり、大打撃を受けました。なぜなら、オークモスは上記で挙げたように天然香料のものであることに意義があるためです。
オークモスとはそんな貴重な香料でした。

それではオークモスは、ノーズショップの香水ではどのようなものに使われているのでしょうか。見てみましょう。

NICOLAI|ナンバーワン アンタンス


NOTE:
トップ|アカシア、ベルガモット、ガルバナム
ボディ|チュベローズ、ジャスミン、イランイラン、ローズ、ネロリ、アイリス
ベース|サンダルウッド、オークモス、ムスク、シベット

取り扱い店舗:新宿店 銀座店 大阪店 横浜店 大阪店 オンライン

ニコライがブランド創設するきっかけとなったこのナンバーワンアンタンス。30年以上前に作られたシプレの香り。古き良きな香りでもちろんオークモスが使われています。
メインで香っているのはチュベローズやジャスミン、イランイランといった白いお花。そこにしっとりと上品な雰囲気をオークモスで添えています。
この香りの中でオークモスは確かに控えめですが、それがかえって品のよさが出ているのかなと思います。

çanoma|1-24 鈴虫


NOTE:ベルガモット、バジル、カルダモン、クローブ、サフラン、ヴァイオレットリーフ、 ローズ、オークモス、シダーウッド、ミルラ、ラブダナム、カカオ

取り扱い店舗:新宿店 銀座店 池袋店 オンライン

昨年扱いが始まった日本とフランスのハイブリットの気鋭のブランド、çanoma(サノマ)。
クリエイターの渡辺裕太さんの日本の感性を軸にこれまでロシャスやジャン・パトゥなどを手掛けてきたフランスで活躍する調香師ジャン=ミッシェル・デュリエさんと香りを作るブランドです。
その中でも鈴虫の香りは夏の終わりに駆け抜ける秋の気配を含んだ風から着想を得た香水。
確かに夏の夕暮れに感じるじめっと、カラッとどちらも含んだ風を連想させる香りです。
この風のカラッとした部分はカルダモンで、湿度の部分をおそらくオークモスで作っているのではないかなと思います。
すごく不思議で「夏休みの宿題、終わってなかったなぁ」って思わず子供の頃を思い出すような引き込まれる懐かしい香りです。

ANDREA MAACK|コヴェン


NOTE:
トップ|ガルバナム、クローブ
ボディ|シダーウッド、オークモス
ベース|バニラ、ラブダナム

取り扱い店舗:新宿店 池袋店 大阪店 オンライン

アイスランドのブランド、アンドレアマークのコヴェンは神秘的な森林をイメージして作られた香り。
地面に近いような葉っぱのニュアンスも感じつつもじめっとした緑の香り。トーンは暗めです。
ガルバナムの深い色の葉の香りにシダーウッドがウッディに、オークモスが湿度高めに仕上げています。
オークモスの土っぽさや湿度を感じたい人におすすめしたい香りです。

今回はちょっとユニークなオークモスについて紹介してみました!
土っぽい香りやウッディな香料、湿気を求めている方はぜひトライしてみてください!

参考資料
Matvey Yudov, 2018, ”Oakmoss and Tree Moss in Fragrance”,Fragrantica, 2018 October 26, (Retrieved may 12 2021, https://www.fragrantica.com/news/Oakmoss-and-Tree-Moss-in-Fragrance-11516.html)

スタッフ 河村

この春大学卒業しました。新宿店勤務中。 最近アンブレットシードが好きなことに気がつきました。

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